春なのに、私の気持ちだけどこか置き去り

あちこちに春の予感。

ショーウィンドウにはパステルカラーが並び、SNSには「新生活たのしみ!」「今年こそ変わる年にする!」という投稿が次々と流れてくる。桜の開花予報が話題になって、なんとなく世の中全体が前のめりになっているような季節。コンビニのスイーツも、カフェのメニューも、気づけばすっかり春色になっている。

なのに、なんだろう。

悪いことは何もないし、嫌なことがあったわけでもない。体調が悪いわけでもない。でも、周りのワクワクムードにどうも気持ちが追いつかない。なんとなくモヤっとする。
春が来るのに、自分の気持ちだけがどこか置き去りにされているような感覚。

「何か変なの」と思ったりしてませんか?

それは決して変なことではありません。

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友達も、彼も、もう春モードなのに

たとえば仲の良い友達が「春から新しい職場でドキドキする!」と話しているとき。嬉しいはずなのに、どこかぽつんとした気持ちが残ったりしませんか。

彼が転勤や異動の話を嬉しそうにしているとき。一緒に喜んであげたいのに、胸の奥がちょっとざわつく。「私だけ変わらないな」「私だけ取り残されてるみたいだな」そんな気持ちがじわっと浮かんでくる。

別に嫉妬しているわけじゃない。意地悪な気持ちがあるわけでもない。ただ、みんながすでに次の景色を見ているのに、自分だけまだ今いる場所に立ち止まっているような、そんな感じがするだけ。

SNSを開くたびに流れてくる前向きな投稿。「新しいスタートが楽しみ」「環境が変わるのが嬉しい」そういう言葉を見るたびに、なんとなく画面を閉じたくなる。共感できない自分がいる一方で、そんな自分に少し疲れてしまったりもする。

そして気づいたら、「なんか最近、人と話すのも少し億劫だな」なんて思っていたりする。

でも、その気持ちをうまく言葉にできなくて、誰かに話すきっかけもなくて、結局「なんでもない」って流してしまう。

そういう感覚、実はとても多くの人が抱えています。なかなか口にしにくいから、自分だけかな…と思ってしまうけれど、あなただけじゃないんです。

「追いつかない」のは、あなたが遅いんじゃない

季節の変わり目は、気持ちが揺れやすい時期でもあります。

日照時間が変わり、気温が上下し、体も心もじわじわと変化に対応しようとしている。そこに人間関係や環境の変化まで重なれば、なんとなく落ち着かなくなるのは当たり前のことなんです。

周りより気持ちの準備が遅いわけでも、感受性が弱いわけでもない。むしろ、変化に正直に向き合っているからこそ、じっくり時間がかかるのかもしれません。

人にはそれぞれ、心が動くスピードがあります。春の訪れを素直に喜べる人もいれば、新しい季節の手前でいったん立ち止まってしまう人もいる。どちらが正しいとか、どちらが強いとか、そういうことじゃない。ただ、あなたにはあなたのペースがあるというだけのことです。

思い返してみると、去年の春はどうでしたか?一昨年の春は?

新しい季節のたびに同じような気持ちになっていた、という人もいるかもしれません。それはあなたの性格でも、弱さでもなく、ただ「そういう心のリズムを持っている」というだけのことだったりします。

今いる場所で、今の気持ちのまま、少しだけ立ち止まっていてもいい。それは弱さじゃなくて、自分の変化をちゃんと感じ取っている証拠なのかもしれません。

春を素直に喜べない自分を、責めなくていいんです。

まず、目の前のことをひとつだけ

気持ちが追いつかないとき、無理に「よし、私も春モードになろう!」と気合を入れなくていいと思います。

まず、目の前にある仕事を丁寧にこなしてみる。今日やるべきことに、ひとつだけ集中してみる。誰かに少しだけ優しくしてみる。そういう小さなことの積み重ねが、いつの間にか気持ちをほぐしてくれることがあります。

気持ちが先に動かなくても、体や行動が先に動き始めると、少しずつ心がついてくることがあるんです。「なんか今日はちょっとだけ頑張れた」そのくらいの小さな手応えが、春への入り口になったりします。

また、あえて春らしいことをひとつだけ取り入れてみるのもいいかもしれません。好きな花を一輪だけ買ってみる。春限定のスイーツを食べてみる。気持ちが追いついていなくても、目に見える小さな「春」を自分の日常に置いてみる。それだけで、なんとなく心が少し動き出すことがあります。

焦らなくていい。誰かと自分を比べなくていい。あなたの春は、あなたのタイミングで来る。

もやもやした気持ちは、放っておくと少しずつ重くなっていくことがあります。最初は「なんとなく」だったはずが、気づいたら「なんか最近ずっとしんどい」になっていたりする。

だからこそ、早めに誰かに話してみることが大切です。

うまく言葉にできなくていい。「なんとなくモヤっとしている」「春なのに気持ちが追いつかない」それだけでも十分です。話しながら整理されていくことがあるし、誰かに聞いてもらうだけで、ふっと気持ちが軽くなることがあります。

あなたのペースで、ゆっくり春を迎えていきましょう。

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